取り組み事例
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いい職場づくり・健康経営
コミュニケーションを大切にした安全健康職場づくり
株式会社田窪工業所

会社概要

所在地 西条市北条962-7
事業内容  収納庫、物置、ガレージ、インテリア用品等のスチール製アイテム製造
従業員数 514名(2022年2月)

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顔を合わせたコミュニケーションづくり

安全管理部員と保健師が毎日2回ずつ、広い工場内をくまなく巡回して声がけを行っています。1回の巡回距離はなんと2km!時間をかけて、睡眠・食事の状況や体調を聞き取ります。毎日顔を合わせることで、体やメンタルの不調をすばやく察知することが可能に。このときの何気ない会話がコミュニケーションに繋がり、話しやすい関係性が生まれているのです。

きめ細やかな熱中症予防対策

夏の工場内は暑熱状態となるため、現場で働く社員の声を取り入れながら様々な熱中症予防対策を講じています。
スポットクーラー、大型ミストファン、業務用扇風機の購入・設置、空調服の支給。塩飴やスポーツドリンク、保冷材は自由に取れるよう、50台もの冷蔵庫を工場内に設置。夏場は休憩時間を1時間おきにしたり、熱中症注意喚起ポスターの貼り出しや温湿度計の設置など予防対策には余念がありません。

休養も健康チェックもできる休憩室・救護室

休憩室には、ドリンクサーバー・スポーツドリンクのほか、血圧計・体重体組成計・ベッド・担架などを完備。誰でも血圧や体組成などの健康状態チェックができるほか、万が一体調が悪くなった場合も安静休養が可能となっています。
救護室には常時、保健師が滞在しており、体調不良者やメンタルヘルス相談等にも対応しています。

取り組みの背景

「安全管理ばかりはリモートでは難しい」

安全管理を充実させるために、従前の「総務部安全対策課」から「安全管理部」が独立。同時に従業員の健康を守る保健師も総務部から安全管理部へ。
コロナ禍において、人と人との接触機会が制限される中であっても、直接顔を見て話さないと分からないことも多い。
より現場に近いチームを組み、従業員の顔が見え、声が聴ける安全衛生管理体制を作り上げました。

健康診断で多い所見は「血圧」「肥満」

定期健康診断で「所見あり」と判定される項目で多いのが「血圧」「肥満」。
血圧計や体重体組織計をいつでもだれでも利用できる環境をつくることで、自身の健康管理に対する意識を高めてくれることを期待しています。
また、希望者には保健師が健康相談を実施しています。疾病の早期発見・早期治療だけではなく、予防や健康増進を目指しています。

真夏の工場では暑さ対策が必須

真夏の倉庫や工場では、空調設備がない場合40℃に達することもあります。暑さは作業効率にも影響しますが、何よりも防ぐべきは従業員の健康被害。スポットクーラーやミストファンなどの設備を整えています。また、安全管理部による講習も実施しています。熱中症対策に力を入れるようになってからは、具合の悪くなった従業員の数は対策前の半分以下となりました。

工夫していること

従業員による安全標語を募集・掲示

従業員から毎年「安全」に関する標語を募り、優秀作品を工場内に掲示しています。標語を自ら考えることにより安全に対する意識が高まり一人ひとりの責務も自覚できるようになります。

従業員の声

Oさん

真夏や真冬の急激な環境変化に対応するため、様々な改善を行っていただきました。それらの取り組みにより、以前と比べてとても働きやすい環境が整っています。
また、保健師の巡回が毎日行われることにより、従業員が体調不良を感じている際に相談しやすい環境であり、体調不良者発見から対応までが非常にスムーズであると感じます。
さらには普段の会話から体調の変化が懸念される人に対しては、個別に相談の時間を設ける等、従業員の健康を気遣った職場づくりが意識されていると感じます。

課題や今後の目標

今の取り組みだけでなく、さらなる改善へ

今の取り組みに満足するのではなく、課題に対してさらに深く向き合い
具体的には以下のような課題解決や取り組みを検討しています。

  • 二次健康診断の受診率を上げたい。
  • 熱中症対策のスポットクーラーは一定の効果を出しているが、部分的なのでもっと全体に効果のあるものを検討したい。
  • 夜勤者など周囲に人のいない環境で勤務している従業員の非常時対策として、バイタルセンサーを装着し、脈拍の乱高下があったり衝撃を受けたりした場合にそれを検知して管理者が通知を受け取れるようなシステムを導入したい。
  • 従業員一人一人が自分らしく生き生きと働ける職場づくりを行っていきたい。
取材日:2021年8月
取材者:大石
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